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ゆいどっと


2016年11月20日 (日) [長年日記]

_ メモを残しておく

VAIO Z Canvasを注文してしまった.なんでそうなったのか,自分で後で思い出せるようメモを残す.

_ 要求1

そもそもの発端はノート機の不調.夏ごろからVS2015をノート機に入れて使っていたんだけど,突然電源が切れる現象が頻発していた.電源ボタンを長押ししして強制電源断したみたいに,ブツンと切れる.当初はWin8.1機をWin10にしたせいかと思っていた.でも,ドライバやアプリの更新・削除,CPUやHDDの負荷,温度,起動時からの時間,バッテリー外し,吸気ファンの掃除などなど,思いつくことはチェック&トライしてみたけど,やっぱりプチンと切れる.現象の再現条件がわからない.そんな状態なので,さすがにもう我慢できなくなってきてた.考え込みつつのソースコードの編集中にブツンと切れるのは,精神的ガックリ感がでかすぎる.

その後,UEFIのログに「強制終了」って残ってるのに気がついた.しかもWin10にする前からおこっている現象だった.当時は使用頻度が低くてわからなかったようだ.これ,電源とかマザーボードなどハード的な問題で落ちてるんじゃねぇのか? ただ,メーカー製の診断ツールでは問題が出ない.メモリチェックもOK.あと残る手はリカバリをして,現象が再現するかどうかを確かめるぐらいだけど,環境を作るのが面倒だし,いつ落ちるかわからないノート機で再現させるための作業なんてしたくない.ていうか実は間抜けなことに,添付のDVD一式をどこかに紛失してしまって,リカバリができない.

こうなると,とりあえずの開発用にノート機を買い替えたいと思うようになった.

_ 要求2

ノート機のトラブルとは別に,以前から,持ち運べるお絵かき環境が欲しくなってた.ほとんどお遊びのため.メイン環境には板タブがあるのでそれでやりゃいいんだけど,ここに座るとオオゴトというか,さぁ描くぞという気概がないと向かえなくなってきた(なんだそれとは思う).以前 iPad2 でお絵かきをしてる時のように,さっと広げてすぐ描ける,という環境が欲しくなってるんだと思う.いちおう iPadPro+ApplePencil も考えたけど,アプリの閉じた環境がどうにも不便で,メインのWin機と絵がやりとりしにくいので却下.そうなるとWin機のタブレットである必要がある.絵が描ける,具体的には CLIP Studio Paint がそれなりに動くとなると,今はけっこう出ているようだけど,メジャーどころの Cintiq Comanion 2,Surface Pro 4,VAIO Z Canvas ぐらいしか知らない.お遊びのお絵かきだけでこれを買うのはちょっとためらわれた.

そんなとき,ワコムから MobileStudio Pro(以下MSP)なんていう16インチステキタブレットの発表があった.それが,ノート機が連日連続3回ブッチンしやがった時.MSPは画面16インチでi7積んでてメモリもいっぱい.そうだ,これとBTキーボード&マウスを買えば,VS2015も動くし,絵も描けるではないかと,思考が短絡するのは当然のことだった.値段見てなかったけど.

_ 悩む

冷静に考えれば,MSPに開発用のあれこれを入れるのはリスクがあるはず.いろんな開発用ソフトやライブラリ,バックグラウンドプロセスを突っ込むので,お絵かき環境としては不安定にしてしまうように思う.が,お絵かき環境としてそれなりのペンの性能がたぶん欲しくなるはず.そこを割り切ったつもりでも,やっぱり今使っている板タブと比較しちゃうだろう.お絵かきでいえばMSPは最適な選択肢になるだろう.でも高い.じゃあやっぱり,MSP1台でまとめた方がいいのかなぁ,とも考えてた.

そんな感じで11月初頭から,頭の中でぐるぐるしていた.その間も落ちるノート機はあいかわらずなので,これを早めに何とかしないといけないのも確か.そしたら,それに引っ張られたか,ここんところ趣味用のブツって買ってないよね何か欲しいねという欲求までふくれあがってきてた.で,よし,MSP1台にまとめようと決めた.

そんな頃,VAIO Z Canvas(以下VZC)のキャンペーンを知った.16GBメモリ+512GB SSDがつくらしい.もともとCPUはi7なので申し分ない.しかもペンもそれなりに描けるらしい.値段的にも,MSP16インチの下位機種よりも安くなる.あれ,これもいいんじゃないかなと思うようになった.なおこの時点で,30万円を切れるなら安いかもと思うようになっていたあたり,感覚がおかしくなっていたと思う.また,Surface Pro 4は,VZCと似たようなスペックすると割高になってしまうので,この時点で候補から落ちた.ペンも同じ N-trig で,VZCの方がチューニングされているだろうという判断もはたらいた.

_ 実機お試し

さて,MSPがいいか,VZCがいいかを決めたい.どちらも実機はさわったことがないので,やはり実際にさわってみたい.ということで,ビックカメラ名古屋に行ってきた.そして,2機種の間を行き来して試してきた.どちらもメリットデメリットがあり,とても悩む.まずは気になったペンとディスプレイを確認した.

まずはペン.VZCで,ペンの感触が思ったよりも悪いのに驚いた.たまに筆圧に素直に反応しなかったり,ペンを走らせてるはずが線が抜けるなどした.そしてもともと自分の指はタッチパッドと相性が悪いのもあって(乾燥指?),ペン&タッチの操作はぎくしゃくしたものになった.逆にMSPは,ペンを走らせた感触が板タブとほとんどかわらず,なんだか安心してしまう.タッチもそれなりに反応してくれる.やはりワコム,それも最新鋭のMSPと比較しちゃダメなのかと思う.

次にディスプレイ.大きさについては,MSPは実機が13インチしかなかったけど,広くていい感じ.16インチでなくてもこれで十分かと思った.横長16:9で,左右にパレットを置いても作業領域が確保できるせいだろうか.対してVZCはやはりせまく感じる.ただ大きさについては,持ち運びとのトレードオフになるから,どっちがいいかは悩むところ.

ディスプレイの色については,どちらもぱっと見はきれいだけど,VZCは見る角度でけっこう輝度が変わるのがわかった.色味はそんなに転ばない.対してMSPの方は,ぱっと見安定してる.ただ,色がくすんでボヤけた感じに見えるのは気のせい? アンチグレアフィルムを貼ったみたいに見える.アンチエイリアシングがかかっていない文字とかもっとかっちり表示しててもいい気がするんだけど.

この時点で,やはりMSPのペンはすばらしいのを認識.ディスプレイは正直互角と判断した.VZCの輝度の変化はアレで,対してMSPはモヤっと感がどうにも気になる.

_ 攻防

しかし,次に自分の使い勝手を考えた時,判断がゆらいだ.開発環境として使いたい場合,外部ディスプレイとLANの接続は必須.VZCはHDMIコネクタと有線LAN端子がある.ところがMSPは,別売りの変換器が要るのだが,これがいついくらで出るのか売り場の人に聞いてもわからなかった.ていうか,ワコムのコーナーはあってもそこに店員がいなかったのは何でだろう.他にもUSB-Cまわりとかのハード的なことを聞いてみたかったんだけど.逆に,VZCの方はすぐに店員がついてきて,あれこれ相談できた.

この時点で,判断がVZCに傾いた.SONY IDの提示でクーポンが使えるというのも知り,3年ワイドがつけられるのも効いた.

あとはペンだけなんとかなれば決定なんだけどな.と,VZCで,ペンの筆圧設定があったのを思い出して試してみた.けっこう追い込めそうな気がしてきた.これとCLIP Studio PAINTの調整を組み合わせれば,もちろん慣れも必要だろうけど,いけそうな気がしてきた.……気がしてるだけで,なんだか流されちゃったような感じだが.

_ 決着

で,VAIO Z Canvas を注文してしまった.あー.

正直いまさらVZCを買うのはどうか,とも思った.発売されて1年半も経って,今メモリなどセールをやってるってことは,後継機が出る可能性が高い.ただ,VZCの後継機が出たとしたら,16GBメモリ&512GB SSDはたぶんこんな値段では買えないだろう.3年ワイドも個人的にはでかい.思えばまだVZCが出る前,この店で VAIO Z を見てて,タブレット形状になってお絵かきできるなぁ~,でも Canvasって出るよ~,とか話してたんだよな.まさか同じここで買ってしまうとは思わなかったなぁ.ていうか,MSPの発表で物欲刺激されてVZC買うとも思わなかったよ.

さて,物が届くのがタノシミだ.いろいろ恐ろしいが.